温暖化と北極・南極

地球温暖化により、今、北極と南極で起きていること

「地球温暖化で北極と南極の氷が溶けると、地球全体が水没してしまう」とよく言われます。事実、1906~2005年の100年間で、地球の平均気温は約0.7度上昇しています。
では、実際のところ、北極と南極ではどうなっているのでしょう。


■「北極」で起きていること

ご存知のように北極海には陸地がなく、「海氷」という海に浮かぶ氷に覆われています。
その面積は1970年代末には約800万k㎡ありましたが、2005年には約530万平方k㎡にまで縮小しています。

しかし、北極海にある氷が全て溶けたとしても、海水面は上昇はしません。
それよりも問題なのが、隣接する地球最大の島、グリーンランドをはじめとする北極圏の地表上にある氷が溶けることなのです。これが海水面を上昇させることになります。
もしもグリーンランドの氷が溶けると、海水面は約7m上昇すると言われています。

north791979年北極海の氷の様子 north072007年北極海の氷の様子

▲北極海の氷の面積は確実に減少しています。

■「南極」で起きていること

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一方、南極では大陸がありますので、陸上の氷が溶けるとそれが海に流れ込み、海水面の上昇を引き起こします。
今現時点でも、南極の気温の上昇による降雨が見られますが、気温が低いため地表近くでは雪に変わるので、まだ大きな氷解は起きていません。しかし、今後、南極大陸でも地球温暖化による気温の上昇が懸念されていて、南極大陸西部の氷が溶けると海水面は約6m高くなると言われています。

 
▲南極の風景。地球上の生態系が崩れれば、このアシカの生息も難しくなります。

■両極の氷が溶けると地球全体の生態系が崩壊する

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事実、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、この10年間でグリーンランドと南極の氷が溶けたことにより海水面が上昇したことを指摘しています。
しかしながら、北極・南極の氷が溶けることで起こる問題は、海水面が高くなることだけに収まりません。両極の海洋は、海水面が凍る/氷に覆われることにより、海表と海中の水温の差で水の対流が起き、地球上の海流の大元となっているのです。
特に、北極海では氷が溶けることにより、海面面積が広がることで、太陽光の熱を海水が直接吸収することになります。そうなると、海流の変化は加速度的に増していきます。

 

両極の海洋・海流が変化することで、地球全体の海流が乱れることにより、魚介類や海藻類はもちろん、地球全体の生態系に大きなマイナスの影響を与えることが懸念されています。このように、人間が起こした地球温暖化は、人間だけでなく、地球上全体の動植物にも影響を及ぼすのです。一刻も早く、「地球温暖化」を止めなければ、「地球全体の命」が危ないのです。

 

●参考資料:情報・システム研究機構 国立極地研究所「北極へ」・「北極観測」・「北極域における気候・環境変動の研究」、
ナショナルジオグラフィックニュース「温暖化でも南極の氷が溶けない理由(2010/8/17号)」、「信濃毎日新聞2007/9/7号」